サッカースパイクの芝用と土用の違いを知って使い分けよう!

サッカースパイク

 

前回、サッカーのスパイクは素材や構造の違いで、

いろいろな種類と特徴があることを説明しました。

→ サッカーのスパイクの色々な種類とその特徴!

 

でも、実際に自分のサッカースパイクをショップで選ぶ時には、

細かい素材や構造の違いよりも、

“自分が普段サッカーをしているピッチで使うのに、向いているスパイクはどれなのか?”

ということの方が、より重要になってきますよね…。

 

サッカーのスパイクで、“芝用”“土用”というような、

使用するピッチによる違いがあるとしたら、

どこでそれを見分けたら良いのでしょうか

 

芝用”のスパイクを土のピッチで使ったり、

土用”のスパイクを芝のピッチで使ったりするような、

想定外の使い方をすると、どんなデメリットがあるのでしょう

 

サッカースパイクには対応グラウンドの分類がある!

現在、サッカーのスパイクメーカーは、

自社の製品がどのようなグラウンドに対応しているのかを、

個々の製品ごとに商品説明に明示しています。

 

昔はそのようなことは行われていませんでしたが、

近年、人工芝のピッチが急速に増えているように、ピッチの多様化が進む中で、

自社の製品が想定されていないピッチで使われることによって、

ユーザーにデメリットが生じることがないように、

あらかじめ周知を図っているのだと思います。

 

では、メーカーがどのようにスパイクの対応グラウンドの分類をしているかというと、

およそ次のような内容になっています。

 

・SG(ソフトグラウンド)=天然芝、雨などでぬかるんだ軟らかい土

・FG(ファームグラウンド)=天然芝、軟らかい土

・HG(ハードグラウンド)=硬く乾いた土

・MG(マルチグラウンド)=硬い土、毛足の長い人工芝

・AG(アーティフィシャルターフグラウンド)=毛足の長い人工芝

・TF(ターフ)=硬く乾いた土、毛足の短い人工芝

・IN(インドア)=体育館など屋内ピッチ

 

では、このように分類されたグラウンドに対して、

実際にどのようなスパイクが作られているのでしょうか?

 

スタッドの数が少ないスパイクは天然芝用!

この対応グラウンドの分類の中で、

最後のIN(インドア)用は、

ゴム素材でスタッドがないほぼ平面のソールのシューズなので、

本当の意味での“スパイク”シューズには属さないと思います。

平らな体育館の床でも滑りにくいソールになっていて、

見ればすぐに分かると思います。

 

それ以外の、アウトドアのピッチ用のスパイクは

ソールのスタッドの仕様によって、対応グラウンドを見分けることができます。

 

まず、スタッドが固定式か、取り替え式かで、対応グラウンドが変わります。

 

取り替え式スタッドのスパイクは、軟らかいピッチSGまたはFG用です。

スタッドの本数が6~8本と少なく、ピッチ状態に応じて

スタッド(ポイント)を付け替えて使用するようになっています。

 

スタッドの本数を減らすことで、1本のスタッドにかかる力が大きくなるようにして、

軟らかいピッチにスタッドがしっかりと食い込むようにしています。

また、ぬかるんだ土や芝がスタッドの間に詰まってしまわないように、

考えて作られています。

 

固定式スタッドのスパイクでも、スタッドの数が少ないものは、

やはりSGまたはFG用として作られているものです。

 

スタッドの数が多いスパイクは硬い土のピッチ用!

固定式のスタッドのスパイクで、

スタッドの数が10~14個程度という、数の多いものは、

HGまたはMG用です。

スタッドの数を増やすことで接地面積が増えて、

硬い土のピッチでも摩擦力が上がって、グリップが得られるようになっています。

 

日本には硬い土のグラウンドが多いので、

昔から多くのユーザーが使っていて、最もポピュラーなスパイクです。

 

また、いわゆるブレード型またはくさび型という

異形のスタッドが付いているスパイクは、

硬い土で使える固定式のスパイクを、

軟らかいピッチでも高いグリップ力が得られるように、

改良されて作られたものです。

 

また、高さの低いスタッドが、

ソールの全面を覆うように非常に数多く付いているスパイクは、

より硬い土のピッチや毛足の短い人工芝での使用を想定して作られた

TF用のものです。

毛足の短い硬い人工芝のピッチには、

スタッドを食い込ませることができないので、

接地面積を思い切り増やすことでグリップを得ようとしているのです。

 

芝用のスパイクは土用のスパイクと使い分けをしよう!

このように、スパイクのスタッドの仕様によって、

対応グラウンドがあらかじめ想定されているのですが、

そうした想定以外のピッチで使った場合には、

どんなデメリットがあるのでしょうか

 

硬いピッチのHGまたはMG用スパイクは、

基本的にはどのようなピッチでも使用することが可能です。

ただ、芝などの軟らかいピッチで使用する場合は、

やや滑りやすくなるデメリットがあります。

 

では、軟らかいピッチのSGまたはFG用スパイクはというと、

硬いピッチではほとんど使うことができません

スタッドの数が少ないことから接地面積が少ないため、

グリップが得られず、ターンのたびに足を滑らせてしまうほか、

硬い地面から足にかかる衝撃も大きく

怪我をしてしまう恐れもあるので、使わない方が良いでしょう。

 

ヨーロッパなどでは主流のSGまたはFG用スパイクですが、

日本では天然芝のピッチは少ないので、

特にきれいな天然芝のピッチや、雨でぬかるんだ土のピッチで使うための

2足目のスパイクとして用意することができれば、最善だと思います。

 

また、人工芝のピッチでは人工芝専用のスパイクを使用すべきです。

 

毛足の長い人工芝で、SGまたはFG用のスパイクを使用した場合、

スタッドがピッチに食い込み過ぎてスムーズに抜けなくなり、

足を痛める可能性が大きいのです。

 

また、毛足の短い硬い人工芝のピッチでは、

専用のスパイクでないとグリップを得ることができません

 

 

スパイクによって、怪我のリスクが増えないように、

また、自分のパフォーマンスをフルに発揮できるようにするためには、

やはり使うピッチに応じて、それに合ったスパイクを使用することをお勧めします!

 

芝用土用スパイクの、それぞれのメリットを生かして、

サッカーを楽しみながらプレイしましょう!

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