サッカーの試合を観ていて、
「あれれっ!今のプレーがオフサイドなの?」
「えっ?今度はオフサイドじゃないの!?」
…って思うこと、けっこうありますよね。
例えば、GK(ゴールキーパー)が飛び出していて、
ゴール前にDF(ディフェンダー)が1人だけしかいないような場合は、
オフサイドになる位置はどうなるのでしょう?
また、守備側のゴール方向にGKしかいないような場合に、
攻撃側の選手が、味方とパス交換をしながら攻めたら
オフサイドになってしまうのでしょうか?
ゴールキックはオフサイドにならないと聞いたのですが、
GKが手に持ったボールを蹴ったり投げたりした場合も、
オフサイドにはならないのでしょうか?
守備側のGKがはじいたボールを詰めると、オフサイドになるのでしょうか?
多くの場合オフサイドラインは後方から2人目の守備側の選手のいる位置!
サッカーの試合では、守備側のチームのDFの選手達が
DFの最後尾のラインを前方に押し上げたことで、
後方からパスを受けた前線の攻撃側の選手がオフサイドの反則取られて、
間接フリーキックになることが多くあります。
サッカーのルール(サッカー競技規則)には、
「競技者がボールおよび後方から2人目の相手競技者より
相手競技者のゴールラインに近い」場合に、
オフサイドポジションにいることになる…と記してあります。
通常、守備側のチームの最後尾にはGKがいるので、
この“後方から2人目の相手競技者”は、DFの最後尾の選手であることが多いのです。
しかし、実際は必ずしもそうではなく、異なるケースがあるのです!
GKが前に飛び出ていると最後尾のDFはオフサイドラインにならない!
例えば、GKがゴール前から前方に飛び出してしまって、
それをカバーしようと1人のDFの選手がGKより後方に回り込んだ場合、
“後方から2人目”の競技者は、GKになるので、
オフサイドラインの基準はGKのいる場所になります。
GKよりも守備側のゴールラインに近い場所にいる攻撃側の選手は、
オフサイドポジションにいることになります。
同じくGKが前方に飛び出して、DFの選手が2人以上GKの後方に回り込んだ場合には、
後方から2人目のDFの選手の場所が、オフサイドラインの基準点になります。
DFの最終ラインがオフサイドラインになるのは、あくまで、
GKが全てのDFよりも後方(自陣ゴールライン側)にいる場合のみだということを、
覚えておきましょう!
GKと1対1になったらボールがオフサイドラインになる!
ボールを持っている攻撃の選手が、守備側のDFを全て置き去りにして、
ゴールとの間にGKしかいなくなった場合や、
そのGKをも抜き去ってしまった場合も、
DFの最終ラインはオフサイドラインではなくなって、
ボールの位置がオフサイドラインになります。
この時、ボールを持っている選手より前(守備側のゴールライン方向)にいる
攻撃側の選手が、ボールを持っている選手からパスを受けると、
オフサイドになってしまいます。
ただし、ボールを持っている選手が
前方(守備側ゴールライン方向)の誰もいないスペースにパスを出して、
ボールを持っている選手より後方にいた選手が、
パスが出た後でボールを持っていた選手を追い越して、パスのボールを受けた場合は、
その選手はオフサイドポジションにいたわけではないので、オフサイドにはなりません。
あくまで、パスを出した瞬間のボールの受け手の位置が、
審判がオフサイドを判定する基準になるのです!
ボールの受け手がオフサイドポジションにいてもオフサイドにならない3つのケース
サッカー競技規則には、ボールの受け手がいる場所にかかわらず、
オフサイドにならないケースとして、次の3つが挙げられています。
(1)ゴールキック
(2)スローイン
(3)コーナーキック
これらのそれぞれのボールを直接受けた場合です。
フィールドの外にボールが出た後、プレーを再開するために蹴るボールや、
投げ入れるボールは、オフサイドポジションにいる選手が直接受けても
オフサイドにはならない…と覚えておきましょう。
これらに含まれていないプレー再開のボールの場合は、オフサイドの対象になります。
フィールド内でファールがあって行うフリーキックや、
ゴールキーパーがゴールキック以外で蹴るキックやロングスローで出すボールは、
オフサイドポジションにいる選手が受けたらオフサイドになります!
GKがはじいたボールに詰めるとオフサイドになる?
では、攻撃側の選手がオフサイドポジションにいる時に、
後ろの方の味方の選手がシュートを打って、
相手GKがそのボールをセーブしてはじいた場合に、
オフサイドポジションの選手がこぼれたボールに詰めて
相手ゴールに押し込んだら、オフサイドになるでしょうか?
サッカー競技規則では、オフサイドになる対象を
「ボールが味方競技者によって触れられるか
プレーされた瞬間にオフサイドポジションにいる競技者」としていますが、
シュートのボールをはじいた場合は、
最後にボールに触った選手が守備側の選手(GK)であっても、
シュートを打った瞬間にオフサイドポジションにいた攻撃側の選手が、
ボールに関与するプレーをした時点で、オフサイドの対象になります。
オフサイドポジションに選手がいる、というだけでは、オフサイドの反則にはなりません。
そこにいる攻撃側の選手が、自分がその位置にいたことによって
利益を得ようとするプレーを見せた場合に、オフサイドになるのです。
オフサイドとGKの関係を、思い付く範囲で説明してみましたが、
だいたいご理解いただけたでしょうか?
相手陣内に攻め込んで行って、GKと1対1になった時は、
弱気になって味方へのパスを選択したり、
シュートを打った後のこぼれ球を人任せにしたりすると、
せっかくの決定機をオフサイドの判定で逃すことがあります。
自らシュートを打ち、こぼれ球も自分が詰めて得点することを心掛けて攻めることが、
ゴールへの近道だと思いますよ!