サッカーの試合をテレビ中継で見ていると、
長身の選手達に交じって、
必ず背の低い選手もプレーをしているのを見かけますよね。
サッカーのポジションで、
身長が低くても活躍できるポジションというのは、どこなのでしょうか?
逆に、身長が高い方が絶対に有利だというポジションも、あるのでしょうか?
サッカーのポジション別の平均身長を調べたら、
ポジションの違いによってどのくらい差があるのでしょう?
サッカーのポジションによって選手の身長には差がある!
サッカーのポジションと身長の関係について、
世界最高峰の国際大会・FIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ(W杯)に出場した
全選手の身長のデータが公開されていたので、それを分析して、傾向を調べてみました。
2014年ブラジルW杯に出場した、32カ国の736人の選手について、
選手登録されているポジション毎に、平均身長を算出したところ、
次のような結果になりました。
- GK(ゴールキーパー)96人:187.2cm
- DF(ディフェンダー)234人:182.6cm
- MF(ミッドフィールダー)250人:178.2cm
- FW(フォワード)156人:179.8cm
※小数点以下2桁目四捨五入
サッカーのポジション別の身長は、
GK > DF > FW > MF
の順に高いことになります。
どうでしょう?皆さんの予想通りだったでしょうか?
このポジション別の平均身長の順位は、
前大会の2010年南アフリカW杯でも全く同じで、
世界的に見て、一般的な傾向と考えて良いのではないかと思います!
GKとCBには身長が高い選手が求められる!
2014年W杯のポジション別平均身長が最も高かった、GKは、
国別の選手の平均身長が32カ国中30位と下から3番目だった日本代表においても、
3人のGKの平均が185cmと、他国にさほど引けを取らない高さでした。
GKは、ゴールマウスに飛んでくる相手のシュートをセーブするために、
できるだけ背が高くて手足が長い方が、
届く範囲が広くなるので有利であると考えられます。
また、相手がゴール前に上げて来るクロスに対しても、
背が高くて手が長い方が、敵のFWとの競り合いで優位に立てます。
同じように、中央のDFであるCB(センターバック)についても、
身長が高い方がヘディングの競り合いで優位に立てるため、
長身の選手が多いポジションになっています。
このW杯の日本代表で、最も長身だった吉田麻也選手は、188cmのCBでした。
次いで背が高かったのが、187cmのGK、権田修一選手でした。
MFとFWは背が低い選手でも活躍できる!
ポジション別の平均身長で最も低かった、MFは、
ヘディングでの競り合いが少なく、
背が高いことによる優位性がさほど大きくないポジションです。
“MFは背の低い選手でも活躍しやすいポジションである”
と言っても、過言ではないでしょう!
また、FWについても、
攻撃の際に最前線で楔(くさび)になってポストプレーをするタイプの選手でなければ、
必ずしも身長が高い必要はないポジションです。
背の高いCF(センターフォワード)がいて、
ST(セカンドトップ)やウイングは小柄な選手…というケースは、数多くあります。
2014年W杯の日本代表では、4人のMFの選手の平均身長は175.8cmで、
全員が170cm台の選手でした。
また、チームで最も身長が低い選手は、FWで169cmの斎藤学選手でした。
斎藤選手は、身長は低くても、
相手のペナルティエリアに鋭いドリブルでカットインしていくアタッカーとして、
Jリーグでは横浜Fマリノスの“ハマのメッシ”と呼ばれて、活躍しています!
W杯の本線で、出場機会が与えられなかったことが、とても残念でした!
DFの中でもSBは身長が低い選手が多い!
2014年W杯に出場したDFの選手234人の内、
79人は180cm未満の、サッカー選手としては小柄なプレーヤー達でした。
この中には、日本代表の5人のDFの選手、
長友佑都選手:170cm、内田篤人選手:175cm、酒井高徳選手:175cm、
今野泰幸選手:177cm、伊野波雅彦選手:178cm も含まれています。
長友選手、内田選手、酒井選手は、
イタリアのセリエAとドイツのブンデスリーガという、
欧州のトップリーグで活躍しているSB(サイドバック)です。
DFの中でも、左右のタッチライン沿いのエリアを主戦場とするSBのポジションは、
ヘディングでの競り合いが少なく、
MFと同様に身長が低い選手でも活躍できるポジションです。
ドイツ代表の主将で、この大会ではDMF(ディフェンシブミッドフィールダー)と
右SBを務めたフィリップ・ラーム選手は、
170cmというチームで最も低い身長でも、優勝に貢献した偉大なプレーヤーです!
サッカーに必ずしも身長の高さは必要ではない!
こうして分析を進めていくと、
“サッカーでは、必ずしも身長の高さが必要ではない!”
…ということが分かってきます。
背が高い方が絶対に有利と思われるGKであっても、
2014年W杯の各国代表選手の中には、170cm台の選手が9人もいました。
オーストラリア代表のベテランのFW、ティム・ケーヒル選手は、
179cmという決して長身ではない体でしたが、
その驚くべきジャンプ力とヘディングの技術で、
自分よりもはるかに長身のDFに空中戦で競り勝ち、
高い決定力によって、W杯でも多くのゴールを挙げて活躍しました。
たとえ身長が低くても、それを補える身体能力や技術がありさえすれば、
長身の選手よりも活躍できるスポーツ…。
それが、サッカーなのです!
ちなみに、2014年W杯でベスト8に入ったチームの内、
国別平均身長で上位だったのは、
優勝したドイツ(平均身長1位:185cm)と、ベルギー(同4位:184cm)だけでした。
準優勝のアルゼンチンは平均身長で21位(180.6cm)、
ベスト4のオランダとブラジルは、16位と17位(181.3cm)でした。
背が高いチームが、勝てるというわけではないのが、サッカーです!
オランダは、“世界一背の高い国”と言われていて、
2010年の男性の平均身長が183.2cmだったというデータがあるので、
国を代表するサッカー選手達の平均身長はそれよりも低かった…ということになります。
オランダの10番、MFウェスリー・スナイダー選手は、身長171cmでした。
それでも、多くの大男達を尻目に、代表のエースナンバーを勝ち取ったのですね!
あなたが、もし身長が高くても、
油断して練習を怠っていたら、
小さな友達に、ポジションを奪われてしまうかもしれません…!
気を付けましょうね!