あなたのサッカーチームで、最もスピードのある選手は、
どこのポジションを任されているでしょう?
サッカーのポジションが色々とある中で、
一番スピードが必要なポジションとは、いったいどこなのでしょうか?
スピードだけあればできるポジションと、
スピード以外の能力も求められるポジションというものが、あるのでしょうか?
そして、ドリブルのスピードが最も重要視されるポジションというのは、
どこのポジションなのでしょう?
サッカーでスピードが最重要なポジションはFW!
サッカーの試合は、縦100~110m×横64~75mもある、競技場で行われます。
(サッカー競技規則における国際試合の競技場規定値です。)
その広いフィールドの中で、1個の丸いボールを選手同士が奪い合って、
相手ゴールにボールを入れる数を競うスポーツが、サッカーです。
フィールド内で宙を飛び、地を走るボールに、
相手チームの選手よりも早く駆け寄って、ボールを自分の支配下に入れるためには、
選手には、走るスピードの速さが求められます。
つまり、サッカーではすべてのポジションの選手に、
走るスピードの速さが必要とされているのです。
しかし、そんな中でも、各ポジション同士を比べてみると、
よりスピードが重視されるポジションと、
スピード以外の能力が重視されるポジションというものがあります。
何と言っても、スピードが最も重視されるポジションは、
最前線でゴールを狙うFW(フォワード)のポジションです!
誰よりも足の速いFWは相手チームにとって脅威となる!
誰よりも走るスピードの速い選手が、チームにいたとすれば、
そのチームの監督は、迷うことなくその選手を、FWのポジションに置いて使うでしょう。
何故なら、快足の選手をFWとしてチームの最前線で待機させておけば、
他の選手はボールを持った時、
すぐに相手のDF(ディフェンダー)の後ろのスペースにロングボールを蹴り出すだけで、
あとはそのFWの選手が相手DFよりも先にボールにたどり着いて、
相手GK(ゴールキーパー)と1対1になってゴールを狙うことが、
間違いなくできるからです!
2012年ロンドン五輪で、U-23日本代表チームが、
1968年のメキシコ五輪以来となる準決勝進出を果たせたのは、
超快足FWの永井謙佑選手の存在があったからこそだと思います!
初戦の優勝候補スペイン戦では、俊足の永井選手を止められない相手DFが、
たまらずファールをして一発退場となってしまい、
数的有利を得られた日本はこの試合で勝って、勢いに乗ることができました。
その後も永井選手は、前線に蹴られたボールに誰よりも速く走り寄り、
相手チームの脅威となって、
グループリーグ第2戦のモロッコ戦では決勝ゴールを、
準々決勝のエジプト戦では先制ゴールを挙げて、チームが躍進する立役者になりました。
スポーツの世界で、“たら”・“れば”は禁物ですが、
永井選手がエジプト戦で、相手のひどいタックルを受けて足を痛めさえしなければ、
日本は44年振りに五輪のメダルに手が届いたはずなのに…と思えて、
悔しくてたまらなかったのは、私だけではないでしょう!
DFは“スピード”+“予測する力”が重要なポジション!
FWの次に走るスピードが求められるポジションは、DFだと思います。
理由は簡単で、相手の快足FWの攻撃を防ぐためには、
守るDFにもやはり足の速さが必要だからです。
DFの選手は、背後にボールを蹴られた場合、
相手のFWの選手と“駆けっこ”をしてボールを追わなければなりません。
また、相手FWのターンや切り返しにも、瞬時に反応して抜かれずに追い続けられる、
瞬間的な短い距離のダッシュスピードも重要になります。
さらに、DFで重要なのは、相手の攻撃を事前に予測する能力です。
相手と同じスピードで走る能力を持っていたとしても、
相手FWが動き出すのを見てから反応して走り出した場合、
DFは追い付くことができません。
しかし、相手が走り出すことを事前に予測して、
守備がしやすい位置へ一歩先に動いていれば、
快足の相手にもぶっちぎられることなく守ることができるのです!
1998年のフランスW杯に出場した日本代表で、主将を務めた井原正巳選手は、
“アジアの壁”と言われた、リベロもできるCB(センターバック)の選手でした。
しかし、彼は実は、高校まではFWを務めていたのです。
自分のスピードではFWとしてやっていくのに限界を感じていた井原選手は、
大学でDFに転向しました。
そして、自らのFWの経験を生かして、相手FWの動きを予測して、
スピードでは及ばない相手にも負けない強力な守備を誇るCBとして成長し、
日本を初めてのW杯出場に導くことができたのです!
ドリブルのスピードが求められるのは両サイドのポジション!
単純に走る速さよりも、
ボールを持ってドリブルするスピードの方が重要視されるポジションは、
タッチライン沿いの両サイドのエリアを主戦場とする、
左右のウイングやサイドハーフ、WB(ウイングバック)、
そしてSB(サイドバック)のポジションです!
そうしたサイドのポジションの場合、
スペースに出たボールを相手DFと並走して追い駆けるようなプレーの外に、
ボールを保持して、ドリブルでボールを前方に運んでいくようなプレーが多くなります。
ボールを足元に置いてドリブルをしながらでも、
追ってくる相手DFより高速で走ることができれば、
そのまま敵陣深くまで一気にボールを運んで、ゴール前にクロスを入れることができ、
得点のチャンスを生み出せます。
豪快な高速ドリブルで、相手DFを振り切るプレーで世界最強を争う選手と言えば、
レアルマドリードのウイング、ガレス・ベイル選手と、
チームメイトで逆サイドのウイング、クリスティアーノ・ロナウド選手でしょう。
この二人に前線でボールが渡り、ドリブルで駆け出されたら、
相手チームのDFはなす術がありません。
それをゴール前で待ち構える相手GKも、たまったものではないと思います!
走る足の速さというものは、持って生まれた天性のものです。
あなたが、もしスピードにある程度自信があるようでしたら、
その神様の賜物を生かせるポジションでプレーできるように、
監督に、どんどん練習でアピールしていきましょう!