テレビでサッカーの試合の中継を観ていると、
アナウンサーが色々なポジションの名称を言います。
でも、それが試合やチームが変わると、
また新しいポジションの呼び方が出て来るので、とても覚えられない!
…という方、いらっしゃいませんか?
数多くあって、複雑とも思えるサッカーのポジションを覚えるのに、
良い覚え方というものはあるのでしょうか?
まず一番初めに覚えるべきポジションの名称と役割は、どこのポジションなのでしょう?
今回は、基本的なサッカーのポジションの役割や位置を、
整理して覚えられるように、説明していきたいと思います!
サッカーのルール上の“ポジション”は2つしかない!
1チーム9人でやる野球には、
守備のポジションの種類も人数と同じ9個しかありません。
それが、サッカーは11人でやるスポーツのはずなのに、
ポジションの種類は11個どころじゃない…!
これが、サッカーの初心者の方が、
ポジションを覚える前に、まずつまずいてしまう大きな原因ですよね。
この問題を解決するためには、サッカーのポジションというものを、
分かりやすく整理整頓する必要があります。
サッカーのポジションで、
ルール(「サッカー競技規則」)において定められているものは、
GK(ゴールキーパー)とそれ以外の“フィールドプレーヤー”という2通りしかありません。
GKは、チームでたった1人だけ、
自陣のゴール前のペナルティエリア内であれば、
手を使ったプレーが認められているポジションです。
ユニフォームも他の選手とは違う色のものを着ることが定められているので、
初めてサッカーを観た人でも、すぐに覚えられるポジションだと思います。
そして、GK以外の10人の選手のことを、“フィールドプレーヤー”と言います。
ルールの上では、この10人の選手に、
ポジションの縛りというものは存在しないのです。
フィールドを3分割して選手の役割を決めた3つの基本的なポジション!
元々、10人のフィールドプレーヤーは、全員で攻めて、全員で守る選手達でした。
しかし、広いフィールドを有効に使って、速く、効率の良い攻撃をするために、
また相手の攻撃に対しても、リスクを少なくして守れるようにするために、
“ポジション”の概念が生まれたのです。
サッカーのフィールドを大きく3つに分割して、
10人のフィールドプレーヤーを、
そのそれぞれのエリアに予め配置して、役割を決めたのです。
(1)自陣のゴールの近くのエリアに置かれて、
主に守備を担当するポジションが、
DF(ディフェンダー=“バック”とも言う)です。
(2)ハーフウェーラインの近くのエリアに置かれて、
守備と攻撃の両方を担当するポジションが、
MF(ミッドフィールダー=“ハーフ”とも言う)です。
(3)相手ゴールの近くのエリアに置かれて、
主に攻撃を担当するポジションが、
FW(フォワード=“トップ”とも言う)です。
様々なポジションを表す名称がありますが、それらは全て、
この3つの基本的なポジションのいずれかの中に分類されます。
まず、この3つを覚えましょう!
プロサッカーの試合では、ベンチ入りする選手を
この3つのポジションに振り分けて登録することになっています。
実際の試合で、その選手がプレーするポジションは、
“登録”通りでなくても全く構わないのですが、
その選手がチームで期待されている主な役割や得意なプレーを、
登録されているポジションから推測することができるのです。
3つの基本的ポジションを中央・右・左の3つに分けて考える!
“後方のDF、中盤のMF、前線のFW”という、
3つの基本的ポジションに10人のフィールドプレーヤーを振り分ける、
その振り分け方を、“フォーメーション”と呼びます。
DF・MF・FWの順に、振り分けられた人数で
“4-3-3”、“4-4-2”、“3-5-2”というように表現をします。
試合に臨む選手を、フィールド上にどう配置するかを表しています。
このフォーメーションにおいて、
3つの基本的ポジションの中での選手の位置と役割をさらに明確にするために、
今度はフィールドを左右方向に3分割して、
・フィールドの中央付近 ・右のタッチライン沿い ・左のタッチライン沿い
という、個々の選手の左右方向のポジションを定めました。
フィールドの中央付近を担当するポジションは、
“センター○○”という名称になります。
左右のタッチライン沿いのエリアを担当するポジションは、
“サイド○○”とか、“ウイング(「翼」の意)○○”といった名称になります。
これで、様々なポジション名のフィールド上での位置と役割が、
かなり分かってきたのではないでしょうか?
最も分かりやすい“4-3-3”のフォーメーションを覚えよう!
それでは、改めて、最も分かりやすい“4-3-3”のフォーメーションで、
フィールド上を前後左右に、3×3=9つのエリアに分割した位置で、
それぞれのポジションを整理します。
(1)自陣のゴールに近い後方のDFの選手
中央:CB(センターバック)
右サイド:RSB(ライト(=右)サイドバック)
左サイド:LSB(レフト(=左)サイドバック)
(2)ハーフウェーラインに近い中盤のMFの選手
中央:CMF(セントラルMF)=CH(センターハーフ)
右サイド:RSH(ライトサイドハーフ)
左サイド:LSH(レフトサイドハーフ)
(3)相手ゴールに近い前線のFWの選手
中央:CF(センターフォワード)
右サイド:RW(ライトウイング)
左サイド:LW(レフトウイング)
この9つのポジションに1人ずつ選手を配置して、
余った1人を自陣ゴール前に、数的な優位をもって守れるように置きます。
すると、CBが2人になり、4人のDF(フォーバック)が出来上がるわけです!
MFを前寄りと後寄りに分けて現在主流のポジションができる!
サッカーの戦術が進化して、前線と守備の間隔が狭くなり、
コンパクトなエリアでの攻守の切り替えがより重要になって来ると、
“4-4-2”や、“3-5-2”といった、
中盤のMFの選手の数を増やしたフォーメーションが誕生し、
現在のサッカーの主流になっています。
2人になったFWの選手は、CFが1人と、
左右のウイング的な役割を担うST(セカンドトップ)と呼ばれる選手が1人、
配置されることが多くなります。
人数が増えたMFは、フィールドの中央のエリアを、
相手ゴールに近い前寄りのエリアと自陣側の後寄りのエリアにさらに分けて、
2人または3人のCMFを、前寄りと後ろ寄りのそれぞれに
1人ずつ、または1対2になるように配置します。
前寄りの選手はOMF(オフェンシブ(=攻撃的)ミッドフィールダー)、
後寄りの選手はDMF(ディフェンシブ(=守備的)ミッドフィールダー)
というポジションになります。
このDMFを、日本では“ボランチ”とも呼ぶのです。
いかがでしょう?
各ポジションのフィールド上での位置と役割が、
かなり掴めてきたのではないでしょうか?
あとは、各ポジションの中でも、その役割を表す名称が色々あるので、
徐々に覚えていけば良いのではないかと思います!