あなたは今、サッカーのチームで
自分が任されているポジションに、満足をしていますか?
“自分のサッカーのポジションを変えたい!”と思った選手は、
どうすればそれを実現できるのでしょう?
監督に自分の希望を伝えて、ダメだった時は諦めるしかないのでしょうか?
ポジションを変えたことで大成功した選手達は、
自分がやりたいポジションを選んで、成功したのでしょうか?
やりたいポジションで楽しくサッカーができれば一番良い!
あなたは、友達と一緒に遊びでサッカーをする時、
どうやってポジションを決めるでしょう?
大抵の場合は、一人ひとりがやりたいポジションを互いに言い合って、
人数が多すぎるポジションは、希望者同士でジャンケンをして決める
…といった感じではないでしょうか?
もしくは、「10分したら交代な!」というように時間を決めて、
交代しながら人気のポジションに希望者みんなが付けるようにする
…なんてこともあるかもしれませんね。
FW(フォワード)の希望者が大勢いる時に、
「じゃあ点を取ったら、DF(ディフェンダー)とポジション交代だぞ!」
なんていうルールを決めて、
仲間とミニゲームをして遊んだことを、私は思い出します。
サッカーを、みんなで楽しんでやる時には、
できるだけ全員がやりたいポジションでプレーができるようにするのが、
最善のやり方だと思います。
“遊び”ではないサッカーの場合は監督がポジションを決める!
ところが、サッカーのクラブチームや部活の場合は、
ポジションを自分達で決められないのが普通です。
基本的には、ポジションを決めるのはチームの監督やコーチです。
そうして、決められたポジションが、
自分のやりたいポジションでなかった場合でも、
我慢してやっている選手は大勢いると思います。
それでも、「どうしても、ポジションを変えたい!」と
思った時にはどうすれば良いかと言うと、
そんな時は、監督やコーチに自分の思いをきちんと話して、伝えるべきだと思います。
そして、希望を伝えるのと同時に、
“どうして自分が今のポジションをやらされているのか”という、
その理由も聞いてみましょう。
監督は、あなたが思ってもいなかった、あなたの良い所に気が付いていて、
今のポジションをやらせているということを、教えてくれるかもしれません。
通常、監督やコーチは、
自分のチームが試合で勝てる強いチームになっていくことを目指しています。
強いチームができるように、選手の個々の良い所を考えて、
ポジションを決めているのが、プロでもアマチュアでも当たり前のことだと思います。
選手のポジションを固定しない監督やコーチもいる!
そんな中で、選手のポジションをとりあえず決めていても、
それを固定するつもりはなく、
希望があったら変えてくれる監督やコーチもいるそうです。
もし、あなたのチームの監督がそういうタイプの方だったら、
次の試合であなたは、希望のポジションをやらせてもらえるかもしれません。
チームの選手のポジションを固定しない監督は、
チームの勝利を望んでいないというわけではなく、
目先のチームの勝利よりも、長い目で見た時の選手の成長の方を優先して、
指導をしている方なのだと思います。
そういう監督は、あなたに、希望するポジションをやらせてくれる代わりに、
また希望しないポジションに変えることもあるでしょう。
そうして、選手に色々なポジションをやらせてみることで、
各ポジションで必要なプレーや能力を選手にじかに体験させて、
その選手の総合的な成長を促していこうとしているのです。
選手が未発達な年代の小学生のチームには、
そういう方針の監督やコーチが、たくさんいるそうです。
監督がポジションを変えない時はプレーでアピールしよう!
中学生以上のチームになると、
監督やコーチも“勝利至上主義”の方が増えて来ます。
そういう方は、選手の適性を自分なりに見極めて、
チームにとって最善となるように、選手のポジションを決めていると思います。
あなたが監督やコーチに「ポジションを変えてください!」と言っても、
なかなかその通りにはならないでしょう。
場合によっては、
「今のポジションで一生懸命プレーできないのなら、他の選手を使う!」と言われて、
試合に出られなくなることもあるかもしれません。
あなたが、どうしても希望のポジションに変わりたいのであれば、
そういうこともある程度は念頭において、申し出る覚悟をした方が良いと思います。
実際に、プロサッカーの世界では、選手の起用方法は監督の専権事項なので、
そのようなケースが珍しくありません。
イタリアのACミランの10番本田圭佑選手も、
監督が起用する自分のポジションに苦言を述べて、
試合に出してもらえなくなっていたことがありました。
そこで、一応「監督の考えには従いますが…」と付け加えた上で、
自分が希望しているポジションを伝えてみて、
あとは、監督が「ポジションを変えてみようか…」という気を起こすよう、
あなたが仕向けてみてはどうでしょう?
あなたが、自分の練習や試合でのプレーによって、
希望するポジションに向いているということを、強くアピールするのです!
あなたの能力に適性があれば希望のポジションでブレイクできる!
例えば、監督があなたの背の高さやキック力が良いと思って、
あなたをDFのポジションに付けていたとします。
でも、あなたがDFよりもFWのポジションに変わりたかったら、
練習試合などで、DFの位置からオーバーラップして、
アシストやゴールを決めるプレーをして見せて、
監督に“自分はこんなことができるんだ!”ということを示すのです。
それによって監督に、
あなたの攻撃力がFWに向いたものだと認めさせることができれば、
希望通りにFWへのコンバートが成就するでしょう!
ただ、そうしたことを実現するには、あなた自身が練習で懸命に努力して、
FWに必要な得点力を身に付けなければなりません。
簡単なことではないと思いますが、ぜひ、覚悟を決めて取り組んでもらいたいです!
ポジションのコンバートによってブレイクした選手達
プロの選手の中にも、ポジションを変えて花開いたスタープレーヤーが大勢います。
日本代表にも選ばれている、槙野智章選手と森重真人選手のDFコンビは、
中学生世代の広島ジュニアユースの時に、
FWとしてツートップを組んでいたそうです。
それを、槙野選手は中3の時にDFへ、
森重選手はボランチをやった後にプロになってからDFへと、
それぞれの当時の監督がコンバートさせたことで、その能力が花開いて、
Jリーグのトッププレーヤーへと成長し、
攻撃的なDFとして日本代表まで共に昇りつめたのです。
槙野選手も森重選手も、自分から希望してDFになったわけではなく、
監督の提案に従ってポジションを変わったそうです。
自分が選手としてさらに成長するために、
監督が見抜いてくれた自分の適性に賭けてみて、二人とも成功できたのですね。
大学時代に、MFからSB(サイドバック)にコンバートされて、
太鼓叩きの応援組(ベンチ外の補欠)からチームのレギュラーになり、
FC東京とプロ契約するまでに至った、長友佑都選手の話も有名です。
今や、世界的なSBへと成長した長友選手の、
フィジカルの強さとスタミナ溢れる走力を見抜いてベストな選択をした、
当時の監督さんの“超ファインプレー”でしたよね!
あなたのチームの監督が、優れた適性を見抜く力を持っていれば、
あなたにとって最善のポジションを与えてくれるでしょう。
希望を胸に抱いて、自分のプレーを磨きながら、
その時が来るまで頑張ってみてはいかがでしょうか…?