サッカークラブに入団して、初めて試合に出ることになった時に、
「自分は何番のユニフォームを渡されるのかな…」
と、背番号が気にならない人は、きっといませんよね!
サッカーの背番号には、
一人一人のプレーヤーが、様々な思い入れを持っているのではないかと思います。
では、そんなサッカーの背番号は、いつからどのようにして出来たのでしょうか?
背番号は、ポジションとの関係があるのでしょうか?
特に、サッカーの背番号の10番が、
“エースナンバー”と呼ばれているのはどうしてなのでしょうか?
サッカーの背番号は20世紀初頭のイングランドから始まった!
サッカーは、他の多くのスポーツと同様に、
イングランドにおいて誕生したスポーツです。
19世紀半ばの、誕生当初のサッカー競技には、
背番号はもとより、“ポジション”という概念も無かったようです。
世界最初のサッカールール“Law of the Game”には、
ゴールキーパー(GK)に関する規定すら無かったというのですから!
その後、技術や戦術の進化と共に、
各プレーヤーのフィールド内における位置と役割=“ポジション”の概念が、
人々に定着していきました。
サッカーで初めて背番号の付いたユニフォームが使われた試合は、
1928年のイングランドリーグの、アーセナル対チェルシー戦だったと言われています。
それまで、試合中の選手を見分けることが難しかった観客からは、
背番号によって容易に選手を見分けることができたので、評価の声が上がったそうです。
その後、1933年のイングランドFAカップ決勝、
エヴァートン対マンチェスターシティ戦で、再び背番号が使われたことを機に、
試合における背番号の使用が、制度として本格的に導入されていったそうです!
かつて背番号は11番までしかなかった!
20世紀半ばまで、サッカーのルールには選手交代の規定はなく、
試合開始時のメンバー11人で、最後まで戦うことになっていました。
つまり、背番号も1番から11番までしか存在しなかったのですね。
背番号付きのユニフォームを着られるということは、
イコール、試合に出場できるということだったわけですから、
選手にとってはきっと、この上ない栄誉だったのでしょうね!
背番号が使われ始めた当時のサッカーで
戦術として主流だったのは、
“2-3-5”のVフォーメーションという布陣でした。
そこで、背番号は、最後方のGKを1番として、
後方から順にポジションに合わせて番号が付けられたそうです。
フルバック(FB)の二人が右から2・3、
ハーフバック(HB)の三人が右から4・5・6、
五人のフォワード(FW)が右から7・8・9・10・11となり、
この設定が世界に広がっていったそうです。
背番号とポジションの関係は国ごとに時代に応じて変わっていった!
サッカーのポジションのフォーメーションは、
現在でも変化し続けているように、時代に応じて変わっていくものです。
20世紀前半に普及した背番号とポジションの関係も、
サッカーが行われている国ごとに、
その戦術やフォーメーションの進化に伴って変わっていきました。
イングランドにおいては、1930年代から、
三人いたHBから5番がFBの中央に下がって、右から2・5・3番がFBに、
4・6番が守備的なHBに、
五人いたFWから8・10番が攻撃的な位置のHBに下がり、
右から7・9・11番がFW、という布陣の、
“3-2-2-3”というWMフォーメーションが主流になりました。
さらに、1960年代に、ディフェンシブなHBだった6番がFBの中央に下がり、
右から2・5・6・3番の四人がFBに、
4番を下がり目のHBとして、8・10番と逆三角形のHBを組み、
右から7・9・11番がFWという、“4-3-3”システムへと変わっていきました。
これが南米では、最初の“2-3-5”のVフォーメーションから、
HBの4番と6番がFBに下がって、右から2・4・3・6番がFB、
FWの8番がHBに下がって、右から8・5番がHB、
そして右から7・9・10・11番がFWという、“4-2-4”システムに変化しました。
10番が特別な背番号になったのは“サッカーの王様”が最初だった!
1958年のスウェーデンW杯で、
ブラジルはこの“4-2-4”システムのチームで、初優勝を勝ち取りました。
この時、弱冠17歳で背番号10を付けてFWとして出場し、
準決勝のフランス戦でハットトリックを達成するなど大活躍をして、
ブラジルを優勝に導き、スーパースターになったのがペレ選手でした。
ペレ選手は、続く1962年のチリW杯でも10番を背負って出場して、
ブラジルをW杯史上初の連覇に導きました。
“サッカー王国・ブラジル”の礎を築き、
“サッカーの王様”と呼ばれるほどの実績を残したペレ選手によって、
“サッカーの背番号10=エース・ストライカーの番号”という考えが
世界に定着したと言われています。
その後も、ブラジルのジーコ選手やネイマール選手、
アルゼンチンのマラドーナ選手やメッシ選手、
イングランドのリネカー選手やルーニー選手、
フランスのプラティニ選手やジダン選手…といった、
各国のエースナンバー10番を付けた名選手たちが、
現在に至るまで世界中の観客を魅了し続けています!
現代サッカーにおけるポジションごとの背番号とは!
現代のサッカーでは、
監督がその時々でフォーメーションを変えるといったように、
多様なシステムが日常的に使い分けられています。
さらに、Jリーグも含めた世界のプロサッカーリーグが、
選手の固定背番号制を採用するようになったことで、
背番号とポジションの関係は、とても薄れてきていると思います。
現在、日本のJリーグのユニフォームに関する規約では、
背番号の1番はGKが付けて、
2番から11番はフィールドプレーヤーが付けるように定められていますが、
12番以降の番号は、50番までの範囲で、
ポジションに関係なく付けて良いことになっています。
日本における代表的なポジションと背番号!
そうした中ですが、今でも最も主流かと思われる“4-4-2”システムを例に、
日本における代表的なポジションごとの背番号のイメージを、
私見として、次のようにまとめてみました!
1番 ゴールキーパー
2番 右サイドバック
3番 左サイドバック
4番・5番 センターバック
6番・7番 守備的なミッドフィールダー(ボランチ)
8番・10番 攻撃的なミッドフィールダー
9番・11番 フォワード
特に、10番はトップ下として2トップを操るシャドウストライカー、
9番が点取り屋のセンターフォワード、
11番は左サイドのスペシャリスト的フォワード…といったイメージがあります!
こうしたポジションごとの背番号のイメージは、
好きな選手や、好きなチームのフォーメーションのイメージが大きく影響するので、
その人によって異なるものだと思います。
みなさんの持っているイメージだと、どんな背番号とポジションになるでしょう…?