【サッカーボールの色の理由】なぜ白黒からカラーに変わっていったのか?

サッカーボール

パッと見て、すぐに“サッカーボール”だとわかるデザインと言えば、

白地に黒い五角形が散りばめられている

あの普遍的な白黒の色のボールのデザインですよね。

 

でも、最近の子ども達の中には、

色付きのボールでしかサッカーをしたことがないような子も、

きっといるのではないかと思います。

 

サッカーボールの色がかつて白黒だったのには、何か理由があったのでしょうか

 

そして、現在のサッカーボールが鮮やかなカラーの色付きに変わったのは

なぜなのでしょうか

1960年代から白黒のサッカーボールは始まった!

現在市販されているサッカーボールの表面は、人工皮革の素材で作られています。

しかし、昔は天然の革で作られていました。

ボールの色もそのまま天然の革の色、つまり茶色一色のボールだったそうです!

 

古くからサッカーが盛んだったヨーロッパでは、

当時から芝のピッチでプレーをするのが普通だったので、

茶色いボールでも特に問題はなかったのでしょう。

 

ところが、我が国・日本には、昔は土のグラウンドしかありませんでした。

そこで茶色いボールを使ってプレーをすると…、ボールが見えづらいですよね。

 

そこで、土のピッチでも見やすいボールとして

お馴染みの白い六角形と黒い五角形を組み合わせたデザインのボール

日本のメーカーであるモルテンが、1966年に初めて作って世に出したのでした

 

世界で最も多くの国と人によって行われているスポーツ・サッカーの

あの最も普遍的なデザインのボールが

我が国・日本において発明されたなんて、なんだか誇らしくありませんか!?

 

白黒のサッカーボールはテレビ放送と共に全世界に普及した!

モルテンが作った、

六角形と五角形の革のパネルを組み合わせた白黒のデザインのボールは、

その形状が非常に理にかなった球形に近いボールであったことと、

どんなピッチコンディションでも見やすい視認性の良さで、

瞬く間に日本中に広まったそうです。

 

そして、この優れたボールが、

1970年のメキシコW杯において、初めての公式試合球として採用され、

その後の世界のサッカーボールの主流となっていったのです!

 

モルテンが製造して、

W杯の公式スポンサーだったアディダス社のブランドにしたこのボールは、

世界初のW杯公式球・“テルスター”と名付けられました。

 

当時、世界に普及していきつつあったテレビで、サッカーの中継を見た時にも

この白黒のボールは非常に見やすくて好評だったことから、

“Television star”という意味で、その名前を選んだのだそうです!

 

白黒以外のカラーのボールは日本が初出場したW杯から!

その8年後の、1978年のアルゼンチンW杯において

全く新しいデザインのボール“タンゴ”が公式球として採用されました。

 

“タンゴ”は、従来通り

五角形と六角形の革パネルを組み合わせたボールでしたが、

これまでは黒かった五角形の部分が白くなり、

六角形の部分の白地に丸みのある辺を持つ三角形のような黒い模様が描かれていました。

 

このデザインは人気を博して、

この後20年の長きにわたって、サッカーボールの主流になっていきます。

しかし、ボールの色自体は、白と黒の2色のまま変わりませんでした。

 

1980年代には、ボールの表面の素材が、天然皮革から

雨に濡れても重くなりにくい合成皮革へと、大きな変化を遂げました。

 

かたや、ボールの色に大きな転機が訪れたのは

日本が初出場を果たした1998年のフランスW杯です!

 

すでに、カラーテレビが当たり前になっていた世界の中で、

初めて大会公式球の表面の模様に、黒以外の色が使われました

このボールはフランス国旗を表す“トリコロール”と名付けられた通り、

白地に青と赤の色で模様が描かれていました。

 

鮮やかなカラーの色はボールに新たな価値を生んだ!

この大会をきっかけにして、

サッカーボールに自由なデザインや色を用いる流れが生まれました。

 

色鮮やかなボールは、テレビのカラー中継にも映えることから、

プロの試合や国の代表同士の試合などで、好まれて使われていったのだと思います。

 

また、人工の素材である合成皮革に進化したボールの表面には、

様々な色の模様を付けることも容易にできました。

ボールメーカーはボールに色やデザインという新たな付加価値を付けることで

同じ機能の製品でも、高い値段で販売できるメリットが得ることができたのです!

 

サッカーボールを購入して使うユーザーからも、

「人と違う自分のボールを持ちたい」という願望が生まれるようになり、

ボールメーカーも、様々なカラーの色付きの製品をどんどん作るようになっていきました。

 

21世紀は鮮やかなカラーの色付きのボールが主流になる!

21世紀最初のW杯である、2002年の日韓W杯では、

白地に金色の手裏剣をイメージした模様が描かれたボール、

“フィーバー・ノヴァ”が公式球になりました。

 

2006年のドイツW杯からは、模様や色だけでなく、

ボール表面の革パネルの数と形状が、長く続いた五角形と六角形のものから、

ボールをより真球に近づけられるデザインに変更されて、

公式球に新たな変革が進むきっかけとなっていきました。

 

2010年の南アフリカW杯の公式球のデザインには、

なんと11色ものカラーの色が用いられていたそうです。

色鮮やかな民族衣装を有する国が多い、

アフリカ大陸で行われた最初のW杯にふさわしいものでした。

 

そして、最も最近の、2014年のブラジルW杯では、

赤・青・緑の色鮮やかな模様がついたボール、

“ブラズーカ”が公式球に選ばれたことは、まだ皆さんも記憶に新しいと思います。

 

 

次のW杯で選ばれる公式球には、

いったいどんな色とデザインが用いられるのでしょうね。

サッカーボールの未来が楽しみです!

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